2020特別レポート
『コロナパンデミックを越えて-36の視点』
※2020年特別レポートは以下よりダンロードできます。
![]()
|
|
白馬会議は2008年、リーマンショックで世界が揺れ動く中、北アルプスの麓、長野県白馬村で誕生しました。
白馬に様々な舞台で活動する「志ある知的個人」が毎年集まって来て、この国の未来について熱く意見を交換する。 こういうタッチの知的集いが粛々と続いているのが不思議な気もするし、世界にダボス会議があるなら、日本に白馬会議のような場がなくてはならないという気もする。 「西のダボス、東の白馬」―日本の夢とプライドを賭けて白馬会議は歩み続けます。 |
統一テーマ:令和ニッポンの青写真を描け!
令和の始まりはどことなく明るいムードが漂っていた。しかし、新しい時代をどう切り拓くか明確なビジョンが示されているわけではない。「失敗の博物館」と揶揄されるような平成時代の負の連鎖を如何に断ち切るか。12年目に入った今年の白馬会議では内向きの反省論議を越えて令和ニッポンの青写真づくりに挑戦した。

第12回白馬会議チラシ.pdf | |
File Size: | 1866 kb |
File Type: |
【2019年第12回白馬会議報告】
第1セッション
“第4の波”にどう立ち向かうか?―ブロックチェーン革命とサイバーセキュリティ
松田 学氏 (松田政策研究所代表)
第2セッション
21世紀前半の日本政府の進路
金井 利之氏 (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
第3セッション
米中超大国間でどうバランスをとるか?―日本外交模索の先
川島 真氏 (東京大学大学院総合文化研究科教授)
第4セッション
若者はどう未来をつかもうとしているのか?-世代間キャップを越えて
西田 亮介氏 (東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授)
【第12回白馬会議討議報告】
令和の始まりはどことなく明るいムードが漂っていたが、新しい時代をどう切り拓くか明確なビジョンが示されているわけではない。12年目の白馬会議では「令和ニッポンの青写真を描け」と意気込んだが、青写真の下書きを持ち帰った実感はなかった。我々の眼前は依然と荒野である。
中国化するニッポン?
第1セッション【米中超大国間でどうバランスをとるか?】で川島真氏(東京大学大学院教授)は習近平の中国が高度に経済発展しても民主主義社会を指向しないという、西欧文明モデルとは全く異質な世界に自信を持ち始めていることを強調し、日本にとって今後の対米・中外交が従来型のバランス戦略では手に負えなくなると戒めた。一方、中国に親しみを感じないと日本人の8割が答えながら、その日本人の7割が中国を重要な国だと答える「成熟した関係」の難しさ、鬱陶しさにも言及した。
この中国観は第3セッション【行政とどう立ち向かうか?】の基調報告者金井利之氏(東京大学大学院教授)の考え方と驚く程重なっていた。金井氏はかつて勢いのあった「地方創生」が、自治体間のゼロサムゲーム的な競争世界の中に陥没してしまったと断じた。その背景として、日本という国家社会が「政治的民主主義」(個人の真の自由がない誘導管理された民主主義)と経済的自由主義(競争を是とする弱肉強食型市場主義)の結合した、将に川島氏が指摘した中国モデルに近似し始めている点を挙げた。
デジタル独裁vsデジタルコモンズ
金井氏は「政治的民主主義」が「みんなで決めたことにみんなで従うのは当たり前」という前提のもとに誘導されるという。その「みんな」の正当性がAIやビッグデータによって飛躍的に「精緻化」されれば、「デジタル独裁」とも言える中国型サイバー空間管理も可能になる。
この問題を第2セッション【“第4の波”にどう立ち向かうか?】の基調報告者松田学氏(松田政策研究所代表)も「ヒットラーとAIが重なる悪夢」と強く警告し、資本主義競争社会と共存し得る「協働型コモンズ」を提唱、その実現のためにブロックチェーンや仮想通貨という非中央集権型デジタル情報技術の活用を提起した。
川島氏、松田氏、金井氏の三氏に共通していたのは、西欧モデルの焼き直しでは令和ニッポンの青写真はあぶり出せないが、中国モデルへの急接近もあり得ないという葛藤であった。
「老中青三結合」型社会への予感
第4セッション【若者はどう未来をつかもうとしているのか?】の基調報告者西田亮介氏(東京工業大学准教授)は白馬会議歴代最年少のセッション報告者であった。西田氏は、昭和世代が大きな役割を果たした平成時代は贔屓目にいってもうまくいかなかった。そのうまくいかなかった知見を持ち出し、令和の青写真づくりと言われても困ると明確な権限委譲請求を突きつけてきた。
但し、こちらにも言い分がある。現在、65歳以上の人口比率は28%台だが、後30年足らずで4割程で高止まり、それから100年近くは15歳未満が1割、15歳~65歳が6割の人口比率が固定定常化する「老中青三結合」型社会に入っていく。そこで問われるのはピラミッド型人口構成時代の権限委譲システムではなく、それぞれの世代階層が当事者意識を持って日本文明の共創に参画していく新しい意識と行動である。「老年」も一緒に荒野を目指すのだ。
中国化するニッポン?
第1セッション【米中超大国間でどうバランスをとるか?】で川島真氏(東京大学大学院教授)は習近平の中国が高度に経済発展しても民主主義社会を指向しないという、西欧文明モデルとは全く異質な世界に自信を持ち始めていることを強調し、日本にとって今後の対米・中外交が従来型のバランス戦略では手に負えなくなると戒めた。一方、中国に親しみを感じないと日本人の8割が答えながら、その日本人の7割が中国を重要な国だと答える「成熟した関係」の難しさ、鬱陶しさにも言及した。
この中国観は第3セッション【行政とどう立ち向かうか?】の基調報告者金井利之氏(東京大学大学院教授)の考え方と驚く程重なっていた。金井氏はかつて勢いのあった「地方創生」が、自治体間のゼロサムゲーム的な競争世界の中に陥没してしまったと断じた。その背景として、日本という国家社会が「政治的民主主義」(個人の真の自由がない誘導管理された民主主義)と経済的自由主義(競争を是とする弱肉強食型市場主義)の結合した、将に川島氏が指摘した中国モデルに近似し始めている点を挙げた。
デジタル独裁vsデジタルコモンズ
金井氏は「政治的民主主義」が「みんなで決めたことにみんなで従うのは当たり前」という前提のもとに誘導されるという。その「みんな」の正当性がAIやビッグデータによって飛躍的に「精緻化」されれば、「デジタル独裁」とも言える中国型サイバー空間管理も可能になる。
この問題を第2セッション【“第4の波”にどう立ち向かうか?】の基調報告者松田学氏(松田政策研究所代表)も「ヒットラーとAIが重なる悪夢」と強く警告し、資本主義競争社会と共存し得る「協働型コモンズ」を提唱、その実現のためにブロックチェーンや仮想通貨という非中央集権型デジタル情報技術の活用を提起した。
川島氏、松田氏、金井氏の三氏に共通していたのは、西欧モデルの焼き直しでは令和ニッポンの青写真はあぶり出せないが、中国モデルへの急接近もあり得ないという葛藤であった。
「老中青三結合」型社会への予感
第4セッション【若者はどう未来をつかもうとしているのか?】の基調報告者西田亮介氏(東京工業大学准教授)は白馬会議歴代最年少のセッション報告者であった。西田氏は、昭和世代が大きな役割を果たした平成時代は贔屓目にいってもうまくいかなかった。そのうまくいかなかった知見を持ち出し、令和の青写真づくりと言われても困ると明確な権限委譲請求を突きつけてきた。
但し、こちらにも言い分がある。現在、65歳以上の人口比率は28%台だが、後30年足らずで4割程で高止まり、それから100年近くは15歳未満が1割、15歳~65歳が6割の人口比率が固定定常化する「老中青三結合」型社会に入っていく。そこで問われるのはピラミッド型人口構成時代の権限委譲システムではなく、それぞれの世代階層が当事者意識を持って日本文明の共創に参画していく新しい意識と行動である。「老年」も一緒に荒野を目指すのだ。
|
【参加定員】 80名
【参加費用】 1名3万4千円
※部屋はデラックスツインの1名使用ですが、同室を2名で使用する場合は1名3万円となります。
家族同伴の場合についてもファミリースイートの使用を含め割安価格で対応します。
※日帰り参加等、参加形態により費用額の調整も致します。
※部屋はデラックスツインの1名使用ですが、同室を2名で使用する場合は1名3万円となります。
家族同伴の場合についてもファミリースイートの使用を含め割安価格で対応します。
※日帰り参加等、参加形態により費用額の調整も致します。
|
【会場への交通アクセス】
①東京発9:20の「かがやき507号」で長野10:46着、東口バス停より11:00発白馬駅行バスに乗車、白馬駅12:10着、ホテル車が迎え10分程度で到着。 翌日は14:00にはランチ終了、長野駅までバス、長野発16:18の「はくたか568」にて東京着17:52。 ②新宿発7:30の「あずさ3号」に乗車 11:27白馬着。翌日は白馬発14:37の「あずさ26号」で新宿着18:34。 ③名古屋発8:00の「しなの3号」に乗車、松本で10:27発「あずさ3号」に乗り換え、白馬着11:27。翌日は白馬発14:37の「あずさ26号」乗車、松本発15:53「しなの18号」に乗り換え18:05名古屋着。 |
|
主催 白馬会議運営委員会
〒206-0031 東京都多摩市豊ヶ丘5-3-5-201 TEL: 090-3694-5042 EMAIL: ichi@gb3.so-net.ne.jp
〒206-0031 東京都多摩市豊ヶ丘5-3-5-201 TEL: 090-3694-5042 EMAIL: ichi@gb3.so-net.ne.jp